■第一回■ベンチャーから『メガベンチャー』へ
【グロービス経営大学院 主任研究員 山中礼二】
2013年09月02日
<英エコノミストが予測。日本のベンチャー伸長の2つの理由>
日本ではこれから、ベンチャーが期待できる。
そういう趣旨の記事が、英エコノミスト誌(Web版)に掲載されている。 http://econ.st/199MZqR “Entrepreneurs in Japan – Time to get started” (Economist August 31, 2013)
この記事は、安倍政権の成長戦略、経済特区、そして楽天の三木谷氏が政権に与える影響に触れた後で、重要な環境変化が起きていることを指摘している。
「日本で戦後に生まれた大企業の成功が、逆に新たなベンチャーに飛び込むことを妨げてきた。経験 豊かなマネージャーが、大企業を離れることはめったになかった。経済産業省の石井氏によれば、『男性がリスクの高いベンチャーに飛び込まないように、妻、母親、そして義理の母親たちが強い(ネガティブな)影響を与えている。』」
「しかし今、リスクの所在が、逆方向に移ってきている。多くの大企業は(業績低迷に)苦しんでい る。一方で、クラウド・コンピューティングなどのイノベーションのため、ベンチャーを起こすことの コストは急激に低下した。堀江貴文氏は、自身の新しいベンチャーについては、Campfireなどのクラウドファンディング・ネットワークで資金を調達すると言っている。」 (出典:同上)
上記の二つは、不可逆的なトレンドだと思われる。「大企業の魅力低下」と「起業のコスト低下」の 二つのトレンドは今後も続き、短期的なバブルとバブル崩壊を経ながら、日本経済の体質を変えていく のかもしれない。
そのような環境の中で起業家たちは、どのように自らを鍛え、会社を成長させるべきなのか。ベン チャー立ち上げを成功させ、「メガベンチャー」へと成長させることができるのか。
このコラムでは、ベンチャー経営の「現場」から生まれる様々な知見を紹介していきたい。
グロービス経営大学院 主任研究員 山中礼二
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