■第二回■注目の市場「TOKYO PRO Market」 とは?【清和監査法人 パートナー 公認会計士 戸谷英之】
2013年09月25日
TOKYO PRO Market は3000社以上が公開しているロンドンAIM市場をモデルにして、ベンチャー企業や中小企業などの成長企業の株式公開を実現させる市場として東京証券取引所が旧TOKYO AIM取引所を合併することで2012年7月に誕生しました。
現在までに6社がTOKYO PRO Market に株式を公開していますが、TOKYO PRO Market は既存の新興市場と比較しても非常に上場が容易である市場といわれています。それは、株式公開のための申請書類が簡略化されていること、監査法人の監査報告書が1期分のみ求められている(既存市場は2期分)こと、証券取引所の審査がJ-adviserに実質的に委任されており、J-adviserの審査がとれば取引所の形式的なチェックの後に株式公開がなされるということなどによります。
J-adviserとは東京証券取引所に認定された株式公開を希望する会社のアドバイザーであり、公開までのプロセスを統括し、公開の適格性を調査・確認し、公開後も企業に一定の助言・指導をしていく機関です。
J-adviserは現在まで6社の証券会社と1社の事業会社が認定されており、TOKYO PRO Market を目指す会社は彼らの審査を受けることになります。
また、TOKYO PRO Marketの特徴として参加できる投資家が機関投資家などのプロ投資家に限られていることです。安定した長期運用目的の資金調達が期待できる一方、既存市場のように一般から広く資金調達を実施できる市場ではありません。
TOKYO PRO Market と既存の市場の上場要件の簡単な比較を以下にまとめております。
実際にTOKYO PRO Market を目指す会社には様々な理由があります。海外で事業を展開するために日本上場企業の信頼をつけたい、将来の資金調達の目安のために市場の株価を持ちたい、既存市場へのステップアップにしたいなどです。
現在、アベノミクスの影響もあり、日本の株式市場は徐々に息を吹き返しており、新規の株式公開も増加しております。そのなかで、TOKYO PRO Market が存在意義を発揮し、多様なニーズに応える一つの手段になれるように本コラムでは今後、TOKYO PRO Marketの情報を発信してまいります。
清和監査法人 パートナー 公認会計士 戸谷 英之
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